慢性疼痛で医療用大麻を投与されている患者におけるオピオイドの処方量の変化(ニューヨーク州、2017年~2019年)
2023/02/14
慢性疼痛で医療用大麻を投与されている患者におけるオピオイドの処方量の変化
(ニューヨーク州、2017年~2019年)
アメリカで興味深い研究を見つけたので、紹介します!!
ポイントは、長期間にオピオイド療法を受けている患者が医療用大麻を長期間投与することで、処方オピオイドの投与量削減と関係するのか?というところです。
結果から報告しますと、長期オピオイド療法を受けている慢性疼痛患者8165人を対象とした”本コホート研究”において、医療用大麻を長期間投与することは、処方オピオイドの投与量削減と関連することが明らかとなりました。また、オピオイドの投与量が多いほど、より大きな削減効果が得られました。
これらが意味することは、医療用大麻が処方オピオイドの摂取量を減少させ、患者のオピオイド過剰摂取のリスクを減少させるというメリットがあるという可能性を示す証拠になったということです。
オピオイドとは?
オピオイドとは、神経系の司令塔の部分である脳や脊髄に作用して痛みを抑える薬の総称です。 医療用麻薬とも呼ばれ、法律で医療用に使用が許可されている麻薬です。 痛みの治療を目的に適切に使用することが重要です。 適切な処方量は、患者さん一人ひとり異なりますので、痛みの程度をみながら調節します。
まず着目する点は、慢性疼痛患者は長期的なオピオイド療法を受けることが多く,オピオイド使用障害や過剰摂取のリスクにさらされている。そのため、代替療法や併用療法が必要とされています。
しかし、医療用大麻(MC)とオピオイドの投与量減少との関連についての研究はほとんどないということです。
そこで、今回の研究が行われました。
目的は、医療用大麻を長期間投与された患者のオピオイド投与量の変化を、短期間投与と比較して評価することです。
ここで、2017年から2019年のニューヨーク州処方モニタリングプログラムデータのコホート研究では、オピオイド治療を受けながら慢性疼痛に対してメディカルコントロールをされている患者を対象としました。
結果は、投与患者を対象とした本コホート研究において,長期間投与することは,オピオイド投与量の低減と関連し,オピオイド関連の罹患および死亡のリスクを低下させる可能性があることが報告されました。
オピオイド療法による、死亡リスクや副作用などが問題視されている中で、このような研究結果により、医療大麻への光が見え出したかもしれません。
まだまだ研究をしていかないといけませんが、医療大麻の有効性は日に日に良い結果へと導いてくれるかもしれません。
メリット、デメリットを正確な情報で見極めながら、医療大麻の理解度を深くしていければいいなと思います♪